Event・Seminar



読書会 晴読雨読 アイデアの系譜学 第12回
「ビックリ!」のある思考 驚嘆と論理のビミョーな関係

<師走にも学問探究は進行中…>
 論文作法の授業に出ると、「感想文になっちゃ駄目」と繰り返し言われます。大学という場所では、何かを「感」じて「想」ったことを、率直に表現してはダメみたい。しかし、学術に身を浸すこと、知の技法をマスターすることは「何も感じない、何も想わない」人間になることなんでしょうか?古今東西の哲人たちを眺めると、彼ら彼女らは、実によく驚き、嘆き、想念を言葉にしています。「エウレカ!」と叫んで、風呂から飛び出したギリシャ人がいました。弟子の言行に「ああ!」と叫ぶ中国の君子もいます。「深く思考すること」と「体を震わせ驚嘆すること」、一見すると対立しそうな二つについて、中井正一の美学を出発点に、あれこれ考えてみたいと思います。

「アイデアの系譜学」読書会とは…
 「アイデアの歴史」(History of Ideas)という学問分野を参照しつつ、発想の生成・循環・変容をテーマに「あれこれ喋る」、書籍持ち寄り型の会になります。前回からの継続参加、今回のみの単発参加の両方を歓迎します。日吉の1~2年生だけでなく、三田の上級生、湘南藤沢や信濃町からの参加、時には高校生や教員たちの「往来がある」ことが本会の特徴です。当日、どんな流れになるかは、集まってみるまで主催者も分かりません。「創造的な混沌」を目指す場です!

日時:
2024年12月7日(土)16:00~17:00(予定) 
会場:
日吉キャンパス 来往舎2階 小会議室
講師:
若澤 佑典(慶應義塾大学文学部助教)
専門:英米文学専攻 18世紀イギリスの文学・文化、スコットランド啓蒙思想、会話/対話としての哲学


学部ではイギリス経験論やアメリカン・プラグマティズムといった英語圏の思想史を学び、「共感」や「驚き」といった日常生活の言葉でものを考え、書くことの重要性を実感しました。大学院からは、文学と哲学が交差する18世紀イギリスの言語空間にとりわけ魅せられ、専門分野としてきました。

ポスドク以降は「おしゃべりの文化」から18世紀イギリスの文学・思想・絵画についてずっと考えています。とりわけ、会話・社交する存在としての人間像を提示し、当人もお話し好きだった哲学者/歴史家/文筆家デイヴィッド・ヒュームの著作や書簡が研究の主軸です。プロジェクト研究では18世紀東アジアの専門家たちと協働し、「グローバルな18世紀世界」像の構築を目指しています。

現在、日吉での教員生活4年目です。これまでの「賑やかな知的探究」を発酵させ、この春、愉快で軽やかな本を出版しました。名前はズバリ「文芸共和国の歩き方」です。出来たてホヤホヤの本書が、みなさんの楽しいお供になりますように!
『文芸共和国の歩き方 書棚を遊歩するためのキーワード集』(慶應義塾大学出版会)


また、日吉図書館では、ワカザワお薦めの本棚も企画展示を行いました。【展示会は終了】ウエブサイトに掲載していますので、ぜひ見て、触れて、本の世界を遊び尽くしてくださいね。
2024年度 第18回(2024.3~5) - 教員のオススメ本 - Research NAVI at Keio University Media Center / 慶應義塾大学メディアセンター
定員:
参加費:
無料
申込み:
不要
対象:
塾生(高校生も歓迎!)・教職員・塾員
参考:
備考:
コメント:
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