Event・Seminar
読書会 晴読雨読 アイデアの系譜学 第11回「〇〇学」エトセトラ しっぽ学? きのこ学?
<11月11日、ポッキーの日にも学問探究は進行中…>
大学キャンパスでは、さまざまな「学」と遭遇します。認知科学や行動科学のようにサイエンスの看板を掲げるものもあれば、文芸学や演劇学といったように、日々の実践と結びついた人文学領域のものもあります。文化資源学のように「今までにはない新しい学問を」という熱気の中で、新しく誕生する学問もあれば、博物学のように「過去にはハッキリ存在していた」という学問もあります。そもそも何かに「学」を付け足せば、なんでも「○○学」として成立するのでしょうか?
シラバスをめくれば大量に飛び込んでくる「ナントカ学」について、今回は「学」の部分に注目してアイデアと書物を持ち寄ってみたいと思います。大学で「××学と遭遇して驚いた」という目撃情報、「△△学があったらいいな」という願望など、高校生から卒業生、若手研究者から名誉教授まで、幅広い層の参加を歓迎します!
「アイデアの系譜学」読書会とは…
「アイデアの歴史」(History of Ideas)という学問分野を参照しつつ、発想の生成・循環・変容をテーマに「あれこれ喋る」、書籍持ち寄り型の会になります。前回からの継続参加、今回のみの単発参加の両方を歓迎します。日吉の1~2年生だけでなく、三田の上級生、湘南藤沢や信濃町からの参加、時には高校生や教員たちの「往来がある」ことが本会の特徴です。当日、どんな流れになるかは、集まってみるまで主催者も分かりません。「創造的な混沌」を目指す場です!
専門:英米文学専攻 18世紀イギリスの文学・文化、スコットランド啓蒙思想、会話/対話としての哲学
学部ではイギリス経験論やアメリカン・プラグマティズムといった英語圏の思想史を学び、「共感」や「驚き」といった日常生活の言葉でものを考え、書くことの重要性を実感しました。大学院からは、文学と哲学が交差する18世紀イギリスの言語空間にとりわけ魅せられ、専門分野としてきました。
ポスドク以降は「おしゃべりの文化」から18世紀イギリスの文学・思想・絵画についてずっと考えています。とりわけ、会話・社交する存在としての人間像を提示し、当人もお話し好きだった哲学者/歴史家/文筆家デイヴィッド・ヒュームの著作や書簡が研究の主軸です。プロジェクト研究では18世紀東アジアの専門家たちと協働し、「グローバルな18世紀世界」像の構築を目指しています。
現在、日吉での教員生活4年目です。これまでの「賑やかな知的探究」を発酵させ、この春、愉快で軽やかな本を出版しました。名前はズバリ「文芸共和国の歩き方」です。出来たてホヤホヤの本書が、みなさんの楽しいお供になりますように!
『文芸共和国の歩き方 書棚を遊歩するためのキーワード集』(慶應義塾大学出版会)
また、日吉図書館では、ワカザワお薦めの本棚も企画展示を行いました。【展示会は終了】ウエブサイトに掲載していますので、ぜひ見て、触れて、本の世界を遊び尽くしてくださいね。
2024年度 第18回(2024.3~5) - 教員のオススメ本 - Research NAVI at Keio University Media Center / 慶應義塾大学メディアセンター