Event・Seminar



教養研究センター基盤研究講演会no.4
「教養」としての『百科全書』―共時性の中の文化と知識

 私がこのたびの講演でご紹介したいのは、きわめて逆説的な研究課題です。
ディドロ=ダランベール編集になる『百科全書』は、本文だけでもタテ40センチ、
ヨコ25センチのフォリオ版で17000頁に及び、普通の書物の100冊分にはなるでしょう。
それも同じ人間が書いているのであればまだしも、諸学万般について200人もの協力者が
ばらばらに項目を執筆しています。項目は多くの場合、他の辞書や参考書のコピ・ペであり、
オリジナルと呼べるものは意外と少ないのです。そんな波乱含みの17000頁を全部読んだなど
という研究者はどこにもいません。ジャムの作り方を説いている項目に続いて、啓示とは何か
を論じる宗教記事がくる。そんな本を